映画「ラ・ラ・ランド」を見たのでレビューします。
夢が交差する街
ロサンゼルスは多くの人が夢を持って訪れる場所であり、本作の主人公とヒロインはそれぞれが大きな目標を持ってやって来ます。
女優になりたくて田舎から状況してきたミアと、古き良きジャズの店を開こうとするセブはクラクションが鳴り響くハイウェイで出会います。
まさに夢の街であるロサンゼルスを象徴する歌と踊りは胸をときめかせる楽しさ、ウキウキするような気持ちを上手く表現していました。
ミアはウェイトレスとして働き、セブは雇われてピアノを弾く日々で、まだまだ二人は目標の達成にはほど遠かったです。
しかし、そんな二人がお互いに夢を語り合って夜空の下で歌って踊る姿は微笑ましく、これからの可能性を感じさせるワクワクとさせる演出が素晴らしかったです。
成功とすれ違いの日々
季節が変わってセブとミアはデートを重ねていき、二人の距離は大きく縮めていきます。
相変わらずオーディションを受けても一向に合格しないミアと違い、自らの音楽性と違ったバンドを組んだセブは成功して地位を築いていきます。
その結果、セブは自分の夢を見失ってしまい、それを見ていたミアも落胆してしまいます。
セブの中ではミアの為に始めたバンドでしたが、その結末は二人の仲を引き裂く事になってしまうのです。
いつまでも成功の兆しがないセブが夢を追う男よりも、ミアと一緒にいる男としてのプライドが彼を動かしたのですが、それはどこか自分をごまかしているように見えました。
だからこそ、ミアの正しい言葉に機嫌を損ねてしまうのです。
男としてのプライドを守ったセブでしたが、本来あった夢を追う男がどこかに消え去った事にミアが失望した瞬間は本当に悲しかったです。
それぞれの道を歩む二人
セブとの決定的な仲違いと、オーディションに落ち続ける日々、それにプロデュースした舞台の失敗からミアは実家に帰ります。
夢を諦めたミアの才能をずっと信じていたセブの説得する言葉には、感情と力強さがありました。
一度は壊れかけた二人の関係でしたが、振り出しに戻って一緒に夢を語り合った坂にたどり着き、そこで明るい未来について談笑するセブとミアは本当に眩しい存在でした。
結果として、セブとミアの二人は違った道を歩む事になってしまいますが、それぞれ思いが交差したラストのシーンは非常に印象深かったです。