映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」をレビューします。
イギリスの笑えるゾンビ
アメリカでは2004年に製作された『ドーン・オブ・ザ・デッド』はジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』を現代版にリメイクし、初めて「走るゾンビ」が登場しました。
そんな本作はイギリスで製作され、こちらもジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』のパロディとして面白おかしくしています。
さすがにイギリスという事でシニカルなギャグが満載となっています。
そして、イギリスと言えば、「パブ」という点でも本作の特徴を出しています。
主人公のショーンは家電量販店で働くも冴えない男で、同居人であるエドはニートで性格はクズだが、二人は無二の親友でなくてはならない存在となっています。
まさに男の友情であり、それがどんなに年を取ってもずっと変わらないところも、多くの男性が共感できるでしょう。
“男友達との悪ふざけ!”
【ピンチでも状況を楽しむ野郎たち】
朝になっても、寝ぼけた状態でルーチンワークをこなしていくショーンですが、町中の異変に気づかず店まで行って家に帰ってきます。
この一連のシーンで多くの人が心を掴まれるでしょう。
普通なら気づいてもおかしくない状況だが、毎日を淡々と過ごしているショーンは周囲のざわめきは関係ないのです。
それで当たり前のようにエドと出勤前の談笑をしますが、ようやく気づいたところで物語が本格的に始まっていきます。
ショーンとエドがゾンビ相手に色々と試していきますが、そこには一切の緊張感がなく、まるで悪ガキたちが悪戯を楽しむような状況は男同士なら分かるでしょう。
“友情が最後に勝つ!”
【クズが立ち上がる】
ショーンは恋人のリズと彼女の同居人と家族を助け出すと、最も安全だと思われる「パブ」を目指していくというプランを立てます。
しかし、そう上手くいかず、途中でゾンビのモノマネをしてピンチを切り抜けていく様子はマヌケなようだが、本人たちが真剣なところが笑えます。
ようやくパブに着いた一行ですが、すでに店の主人がおらず、ホッと一息を付く中で、エドは空気を読まずに遊び始めます。
さすがのリズもイライラが募ってしまい、注意するもショーンはそんな彼女を止める辺りもエドとの友情を感じさせてくれます。
当然のようにパブは安置ではなく、リズの母親はゾンビ化するなど、最大のピンチを迎えたところで、それまでクズな行動しかしなかったエドは英雄的な行動に出るところも男の友情を感じさせる感動的なシーンです。