映画「アントマン」を見たのでレビューしました。
普通の男がスーパーヒーローに
マーベル・コミックが展開する『マーベル・シネマティック・ユニバース』では、様々な能力を持つスーパーヒーローたちが活躍する実写映画が作られてきました。
世界一の頭脳を持ったり、神様だったり、戦時中に活躍した英雄だったり、宇宙を跨いで活躍するチームだったりと、どれもスケールが一般人とかけ離れています。
そんな中、新たなスーパーヒーローとなった『アントマン』は新風を巻き起こしました。
まず、主人公であるスコット・ラングは刑務所に服役していた犯罪者で、離婚もしていて娘の親権を元妻に取られています。
この時点で明らかにスーパーヒーロー向けではないと思われますが、ところが彼ほど『アントマン』に相応しい男はいないのです。
犯罪者であっても盗みをするだけで人を決して傷つけません。むしろ、出所してから日銭を稼ぐのがやっとで彼の生活には同情してしまいます。
それに超人的な能力を持っているワケでもなく、そこら辺にいる普通の男なのです。
これこそが新たな風を巻き起こしたスーパーヒーローの誕生となりました。
“誇れる父親になる為に!”
【娘の為に立ち上がる】
天才科学者ハンク・ピムにその巧みな盗みの技術を買われ、スコット・ラングは二代目アントマンとなります。
しかし、そこまでたどり着くにはスコット自身は納得していなかったが、娘の事を思うとコソ泥よりも誇れるスーパーヒーローになろうと決意するのです。
元々は普通の男だったスコットは、ここからハンクが持っていた縮小技術と彼の娘であるホープとともに訓練を始めていきます。
当初はハンクの弟子が技術を悪用する為の捨て駒でしかなかったスコットだが、その強い正義の心を認められていくようになります。
“誇れる父親へと!”
【チームが一丸となる】
母の死後、ハンクと不仲だったホープが協力していました。
不器用ながら理由を話したハンクに対し、ようやく誤解が解けたホープが真のチームとなっていきます。
家族の問題を見ていたスコットだったが、タイミング良く邪魔をしている点でも、本作は決してシリアスではなく、いい意味で軽い雰囲気の作品だと教えてくれます。
チームがまとまって弟子を倒した時、スコットはコソ泥ではなく、娘が誇れるスーパーヒーローの一員になりました。
本作の縮小する世界は非常に面白く、逆にスケールの大きい世界観になっていて、新たな次元の可能性を示唆した作品でした。